うときゅういっき夜話 「適者生存」の為の民族大移動?

コロナ禍で、今後しばらくして大幅な収入減乃至は収入の不安定さが予想される中、最大の負担要素はローン関係でしょう。

ローンの中でも特に重たいのが住宅と教育のローン。

一方、今回のコロナ禍で、図らずも露わになったのが、マンション等の集合住宅内での3蜜の危険性と都心のオフィスまでわざわざ出向かなくてもある程度は郊外の在宅で仕事ができるという事実。

そして、今一つは、高いお金を払って仮にブランド大学をでても、必ずしも安泰だとは言えない事実。

というのも、その大学を擁する国家そのものがブランド国家といえども安泰ではなさそうな気配が漂い始めているからです。西でも東でも。

下手をすれば、西の大国でも東の大国でも、省ごと、州ごとに独立国家に分解、分裂してしまうかもしれない可能性すら感じます。

そうしてさらに「どこを卒業したかではなく、何を学んだか」「お免状よりもスキル、ノウハウ」を社会は求め始めた、という事実。

となると、何も高いローンを組んで、都心近くにマンションを持つ必要はない。3蜜も考えれば地方で戸建てを借りた方が安上がりだし健康的でいい。

教育もお免状(ディプロマ)よりも資格、資格よりも「真の実力」が得られるところをこまめに探した方がいい。

そもそも地方で、と雖も戸建てを持つなら、そんなに教育費はかけられないし。

かくして、そろそろ都市や大学の一極集中からの分散が始まる可能性が出てきそうです。

(そもそも、都市や大学への集中というのは長い人類史の中で、高々ここ150年程の異例の事態でしかないようですし)

或いはまた、その基盤となるIT技術や事業の分野においても、GAFAのプラットフォームやクラウドに代表される統合、囲い込みの弊害への気づきから、分散、開放へと向かい始めるのではないだろうかとの予測も成り立ちそうです。

「地方の時代」と言われて久しくなりますが、それが今までは「一部の人々の都合から生まれたポジショントーク」でしかなかったのですが、今、その「分散」という方向の必然性が遅ればせながら再認識されつつあるような気もします。そうして単に「分散」だけではなく「シェア(分かち合う)」という概念も。

となるなら、今後お国は、コロナ禍後の復興に向けて、その有形資産、無形資産をミックスした社会基盤整備(特に無形資産であるIT技術とノウハウの「正しい活用」)への「財政政策発動」をすることが、最大の復興事業になり、それに多くの人々が意欲をもって参加することで国民生活の再興と活性化が期待できるのではないかと思っております。

これらによる「分散」「シェア(分かち合い)」「格差平準化」こそが「適者生存」の為の第一歩のような気がしてならない次第でございます。

いい意味での民族大移動が必要なのかもしれません。